シンデレラに玻璃の星冠をⅢ
幕間3
――大地。
それは穏やかでいて荒々しい――
二律背反の母性の象徴。
生み出した生命を培う情愛の深さを見せつけながら、その生命を一瞬にして破壊させる非情さを併せ持つ。
足元から伝わる大地の震え。
それは――…
虚栄と執着に縛られ、傲慢さを生きる術とし…"生かされている"ことを忘れた、愚かなる人間達への…嘆きか、怒りか、嘲りか。
狂気に満ちたこの土地は、
やがて母なる大地の逆鱗に触れ、
破滅に至るだろう。
否、大地そのものが既に狂気なのか。
狂気に育てられた故に、
人間の滅ぶ結末は変えられないのか。
巡り巡る。
生から死へ、死から生へと…
生命は循環する。
時間を超越し、1つの円環で回り続ける。
しかし――
忘れてはならない。
新たに生まれ出でるものから、
過去の業は消えてはいない事実を。
輪廻という業の鎖に縛られ、
人間は罪から逃れることなど出来ないことを。