シンデレラに玻璃の星冠をⅢ



「この時計マークは何かなあ」

「この感じからいけば…出生時刻の気がするんだけど。確か占星術(ホロスコープ)、時刻が必要だと聞いたことがあるし」

むしろそれしかないだろう、この流れでは。

僕は…半ば、氷皇の意図が読めていた。


「じゃあ家のマークは?」

「出生地」

「え、数字だよ? プラス19って?」

「3人分同じだろ? 僕達東京生まれだし。どんな理屈か判らないけれど…作るのに必要なんだよ、それは」


占星術(ホロスコープ)作成の詳細は判らないけれど、概要なら知識で判る。


「そっか…。こういうの作るには必要なんだ…」

「ボクも知らなかったよ。こういうの必要だったんだ…」


そして女の子2人は顔を見合わせると、


「「だから何?」」



「多分だけど――」


僕は溜息をつきながら言った。


「自分で作れ…ってことだと思う」


多分…というより、間違いなく。



「作れ!!? 作ってくれるんじゃなく!!? 何処がご褒美!!?」


ご褒美に拘る芹霞が叫べば、


「占い結果の意味すら知らないボク達が、七面倒臭いぷんぷんのこの細かい数字を使って苦心して、何の得があるのさ!!」


数学嫌いな由香ちゃんが吼えて。


「氷皇だけが喜びます」


桜が憮然と言い放つ。



『ラーブ、ラブリー、ひいちゃん』



「「「「………」」」」


どうして、タイミング良く送信出来るんだろう。

ストーカーかよ。


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差出人<aoao@ares_ioa.com>
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宛先<hihi@teraikemen.net>
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またまたはろはろ~☆
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見たいよね、知りたいよね?

恋愛運どうなってんだろ~☆

蒼生ちゃんもドキドキ…。

作ったら教えてね~

手書きを写メしても、
動画でもOK!!

動画投稿待機している
二宮さんも興味津々♪

((o(∇^*o)ワクワク(o*^∇)o))
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「…これ…ご褒美じゃないよね…。何気に機械使ってズルするなって釘刺されている気がするんだけど」

「二宮さん、いい人…じゃないのかな…。何だか味方の気がしてたのに…。あたし別に恋愛運見なくてもいいんだけど…」

「あのウルトラ発情駄犬が、櫂様に盛りさえしなければ…!!!」


思う処は皆、様々で。

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