シンデレラに玻璃の星冠をⅢ
「きっと、向こうも…櫂がこうなるの見越しているんだろな。あ、この芹霞…白い首飾り!! 1つGET!!! しかしすげえ…なんかすげえ!!! 顔以外リアル芹霞だ!!! この人形職人誰よ!!? このお面とっても、そっくりな顔出てくるのかな。
……。この芹霞…俺貰いたいな。こんな精巧な体で…今にも動き出しそうだし。この…わざとらしいくらい強調してる、胸の大きさなんてソノモノで…柔らかそうだし…。……。触れないのかな。………。…触っても…いいのかな。触りたいな…。よし触って…」
"触る"の変形五段活用。
………。
「ひ!!!? 櫂、そんな目で俺みんなよ!!! む、胸は仕方ねえだろ、俺だって男なんだから!!! ま、あれだ!!! それだけ芹霞の作りが完璧だって言うことで…って、小猿、小猿!!!!?」
煌の狼狽(うろた)えた声に、顔を向ければ…
「は~や~ま~~ッッッッ!!!!」
ピーッッ!!!
「俺と一緒に~~ッッッ!!!」
ピーッッ!!!
「大人になろうぜ~~ッッッ!!!」
ピーッッ!!!
ホイッスルの連続。
「あいつ…桜の禁断症状が爆発し、暴走始めて、白以外踏みつけてる!! しかも!!! 発情してやがる!!!」
桜に?
桜は…男だろう?
翠は…"そちら側"の男なのか?
俺の頭にはハテナが飛んだ。
そして煌は、宙でくるりと一回転をして、桜もどき人形に抱きつく寸前の翠を、片手に抱えて飛び上がり、その頬をパンパンと叩く。
「小猿!!! 簡単な心理作戦に乗るな、小猿ッッ!!!」
パシパシパシ…。
「え、俺…」
「攻撃…3追加」
その時、緋狭さんの声が聞こえて、緋狭さんの姿が…ふっと消えた。
やばい。
緋狭さんが――動いた。