シンデレラに玻璃の星冠をⅢ
その時だった。
突然…オニ緋狭姉が3人、一斉にぴたりと動きを止めたのは。
うち1体が叫んだ。
「オニを2つ減らし、1つにする。
代わりに…裏定義(ルール)適用」
裏定義(ルール)!!!!?
「今度は何だよ、あと少しで終わりそうな時、何言ってるんだよ緋狭姉!!」
当然、返る言葉はなかったけれど。
「ニノ、それはアリなのか!!?」
『お答えします。アリです、櫂様。攻撃を犠牲にした…オニの特権です』
それぞれが相手をしていたオニが、1体だけになる。
それは嬉しいことだけれど…
「ニノ、裏定義(ルール)って一体!!!?」
『裏定義(ルール)を適用するよ~☆
あははははは~』
『お答えします。オニの宣言する"隠し色"に触れられねば…』
『いろいろ、なにいろ~?
あははははは~』
「キイロッッ!!!」
『触れられなければ…皆様の体、5カ所につけた枷に』
小猿が叫んだ。
「何処に黄色なんてあるんだよ、此処に!!!
あるのは、赤、青、白、黒、緑の5色だぞ!!!?」
『減じたオニの数だけ、過重がかかります』
ピーッッ!!
「1秒ルールか!!!?」
そして――
ずしっ。
俺の両手首、両足首…そして首に…
酷い重みを感じたんだ。
それは次第に重くなっていく。
『オニ1体に相当する重さは、裏定義(ルール)では1つの枷につき50kg。オニの攻撃が無くなった分、合計オニ2体分の100kgの過重が皆様の1つの枷にかかり。
即ち、5カ所の枷合計500kgの負荷が、皆様の全身にかかることになります』
「「500kg!!!?」」
俺と小猿は叫んだ。
ずしっ。
ずしっ。
俺の筋肉が…
重みに強張っていくのを感じた。