シンデレラに玻璃の星冠をⅢ
冗談じゃねえ。
首飾りをあと少し取ればCLEAR。
そんな状況で、裏定義(ルール)!!!?
急いで動かないといけねえ定義(ルール)が生きているのに、何で500kgよ!!?
その為の枷だったのかと思えば、なんで疑問なく素直につけていたのか、愚かな自分が腹立たしくなる。
しかも…鎖。
俺だけについているこの鎖も、格段に重くなってやがる。
首に枷が食い込んでいる。
俺は…緋狭姉の鍛錬の一環で、過去幾度か…こうした何百kg単位のものをつけられていたから、まだなんとか動ける範囲内だけど、今までの通りにぴょんぴょん飛び跳ねれるか自信がねえ。
俺はまだいいんだ、重さ慣れしてるから。
だけど、櫂や翠はねえだろう。
流石の櫂とて、突然の重圧感に耐えるのに四肢が小刻みに震えてるし、翠は四つん這い状態になり動かねえ。
突然過ぎる重さに無理して踏ん張れば、筋肉は断絶しちまう危険がある。
どうするよ!!?
500kg負荷が終了した旨のアナウンスが告げられた。
『重さ過重100%☆
染み入るこの重さが堪らな~い。
く~~ッッ』
………。
何処のジュースのCMだよ!!!
「うっせえ、黙れッッ!!!」
思わず俺は怒鳴ってしまった。
突っ込める元気があるのは俺ぐらい。
櫂は動き辛そうに手足を動かし歯を食いしばっているし、小猿は…ふにゃりと地面に潰れてる。
やべえな…、本当にやべえって。
「おいニノ、この重さを減らすには、手はないのか?」
『お答えします、イヌ。裏ゲームなら手立てはありますが…表ゲームならありません』
「裏ゲーム!!? 何だそりゃ…」
またおかしげな名称が出てきやがった。
『お答えします。オニの宣言で切り替われます。変形版だと思って下さいませ』
もう十分変形版じゃねえかよ!!!
「ニノ…どうすれば、オニは裏ゲームを望むと思う?」
苦しげな顔を意志の力で抑えながら、櫂が静かに訊いた。
『お答えします。オニは楽しく嬲るのが趣味。今のゲームがつまらなくなれば恐らくは』
すると櫂は溜息をついて言った。
射るような…切れ長の目で。
「煌、翠。…動くな」
「あ?」
「何があろうとそこから動くな」
今度は…何を言い出した、櫂。