シンデレラに玻璃の星冠をⅢ
「でも…そうしたらあの赤オニが…」
俺と小猿が反論したけれど。
「緋狭さんもどきの攻撃を食らうリスクと引き替えに…緋狭さんもどきの興味を奪う。今のままでは…自滅するだけだ」
動かずにいろって!!!?
興味を奪うって何だよ!!?
今では…頼みの音楽も早すぎて、ただ急く心を煽るばかりで。
『いろいろ、どんないろ~?
あはははは~』
ゲーム再開。
「アカッッ!!!」
ゲームに慣れ始めた俺の体は、宣言された色に反応する。
「動くな!!! いいな、煌、翠ッッ!!!」
「あ…ああ…」
「俺…元々…動けないし…」
ピーッッ!!!
ピーッッ!!!
ピーッッ!!!
もう何度のピーが鳴ったか判らねえ。
1秒ルールにひっかかったのか。
攻撃を食らったからか。
「定義(ルール)変更の権利を、全て攻撃に」
緋狭姉が…畳みかけてくる気だ。
やばいだろ、これ。
『新定義(ルール)を適用するよ~☆
あははははは~』
だけど櫂が目で牽制するんだ。
動くな、と。
だから俺は、せめて櫂と小猿への攻撃避けになろうと、2人の上に抱きつくように覆い被さっていたけれど。
そんな俺に緋狭姉は攻撃してくる。
引き剥がして、櫂や小猿に攻撃を加えようとするが、俺は離れなかった。
ピーッッ!!!
ピーッッ!!!
ピーッッ!!!
やることなすこと…全てが定義(ルール)違反。
だけど櫂が動くなって言うんだ。
だから俺はテコでも此処から動かねえ。
500kg以上の重みがあるんだ。
以前のように簡単に飛ばされたりはしねえ。
違反とされるのなら、とことん反抗してやる。
グアアアアア!!
金翅鳥(ガルーダ)まで猛って来やがった。
火が…地面に走る。