シンデレラに玻璃の星冠をⅢ


『お答えします。取った首飾りの数1個"捨てる"ことにて、2kg減じられますが、それは全員の全部の枷の重さではありません。誰の何処の枷指定になりますのでご注意下さい』


「今まで取った首飾りの総数は?」


『お答えします。391個です』


「つまりは…782kg減が可能なのか…」


「え? あと…ちょっとで410個じゃねえか!!」

「このままならノーミスで19個、取りに行けない気がするんだ。定義(ルール)はまた変化する。その中で20個ずつ無駄に減らしていきたくない。だとすれば…首飾りの数が多い内に何とかしたい。

翠。お前…10kgずつの枷なら動けるか」


「へ? 500kgが50kgなら…まあなんとか。米袋5つくらいなら、いつも俺…紫茉に言われて買いに行ってるし」


「煌…お前は?」

「俺? 俺はいいから、お前優先しろ」


すると櫂は笑う。


「100kg減なら動けると思う。つまり1枷80kgか。翠の450kgと俺の100kg…これで、550kg。だとすれば残りは232kg。煌…お前は…」


「ああ、もう…これでいい」


「え?」


「俺、ずっと緋狭姉に特訓されている身の上で、お前らと同じように軽くすること…なんか嫌なんだわ。絶対バレたら、緋狭姉にどやされる。それこそt(トン)単位の重りつけられて、崖から突き落とされる。そっちの方が怖えんだ…」


「ワンコ…どんな特訓してんだよ、いつも…」


ぼやく小猿の横で、櫂はじっと俺を見ていて。



『裏ゲームを始めるよ☆

用意はいいかな~

あははははは~』




「櫂も判って居るだろうけれど、俺さ…普通とは違う特殊な体みたいで、何でも順応していくらしいんだわ。これも特訓の一環として、俺頑張ってみてえんだ」


すると櫂は頷いて。


「では残り232kg、116個分はストックだ。苦しくなったら、首飾りがある内に早く言えよ。すぐ減じる」


「了解」


「ニノ、首飾りと引き替えに、重さ減じる時はどうすればいい?」


『お答えします。叫べば適用されます』


なんつーアバウトな。



そして櫂は叫んだ。


「首飾り225個を捨て、翠の枷1つにつき10kgに変更。

首飾り50個を捨て、俺の枷1つにつき80kgに変更」




『了解~

首飾りの残は116個です☆』



………。


俺に計算しろって言われたら、絶対出来なかったと思う。

櫂はいいとして、胡散臭いアナウンスも…何ですぐに答え出せるんだろ?

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