シンデレラに玻璃の星冠をⅢ
俺の首枷から伸びた赤い鎖は、右側にいる小猿の左の手枷と。
黒い鎖は…左側にいる櫂の右の手枷と。
ガチャガチャ…。
ガチャガチャ…。
「どんな原理!!? 何でがっちり繋がったんだよ!!!」
「…磁力か何かか!!?」
ガチャガチャ…。
ガチャガチャ…。
くっついて…離れないらしい。
しかも…
「おい、あんまりひっぱるな、首が…首が…」
十分な長さがあるとは言え、櫂の手枷80kgと小猿の手枷10kg分に、それぞれ物理的な力が負荷されれば…首枷が俺の首に食い込んでいく。
『これからは、三位一体となって動かねばなりません』
「「「何だって!!!?」」」
俺達は顔を見合わせた。
『今までの定義(ルール)は生きていますが、オニの宣言によりミスをしても定義(ルール)の変更及び追加はありません。ただ攻撃はしてきます。ひたすら逃げて、ひたすら首飾りを奪って下さい。ただそれだけです』
「簡単に言うな、ニノ!!!」
小猿が泣きそうな声を出した。
「まずいな…。全員でそれぞれ動けないとしたら…CLEARに時間がかかりすぎる。ニノ、時間は…」
『あと数十秒で、残り5分を切ります』
「今、30分かけて…首飾り200強残っている。このペースで行けば、1時間なんてあっという間だぞ」
俺は舌打ちをした。
「ここまで来て、引き下がれるかよ」
「ワンコの言う通り!!! 要は俺と紫堂櫂が連携とって、ワンコを散歩させればいいんだろ!!?」
ひっかかる言い方だな、小猿。
「…俺達の息が合わねば、煌の首は絞まるわ時間はロスするわ。ミスをすれば、定義(ルール)追加や変更はなくなっても、首飾りは20個ずつ消えて行く。そうなれば本当に時間内で終わらない」
『新定義(ルール)を適用するよ~☆
あははははは~』
ああ、もう…!!!
「ニノ、曲流せ。慣れたからアレンジの慟哭の薔薇でいい」
俺は言った。
『お答えします、イヌ。判りました』
桜のベースが聞こえてくる。
「こうなりゃやるぞ。ぐだぐだ言っても仕方が無い。やらなきゃいけねえ時はやる。それしかねえ。俺は、負けるのだけは嫌だ」
しかも…櫂も小猿もいて。
「ああ、俺も嫌だ」
櫂は不敵に笑い、小猿はこくこくと何度も頷いた。
「俺達仲がいいんだ。最高の連携、見せてやろうぜ」
「そうだな」
「うんッッ!!」
『報告します。設定時間、5分切りました』
『いろいろ、どんないろ~?
あはははは~』
「シロ、アカッッ!!!」
再START!!!
◇◇◇
《UnderWorld 004》