シンデレラに玻璃の星冠をⅢ
述懐 櫂Side
櫂Side
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「何で…そう思う?」
目の前の…体毛がやけに目立つ大男は俺にそう聞いてきた。
表情は髭に覆われていてよく判らないが、その口振りは、驚愕というよりは…むしろ嬉しそうで。
「まずは玲が自分の力を含め、紫堂の事情もお前に話し、過去も要所要所でお前に協力を要請していたこと。玲は愚かな男じゃない。警戒心や猜疑心はかなり高い。だが心に感じるものがあれば玲は受入れる。
玲が心開くのは…不幸にも闇部分が多い。相手の抱える闇が自らの闇と共鳴する時、あいつは静かに心を開く。
つまり…玲はお前に深い"狂気"を見たことになる」
クマは何も言わないが、やはり嬉しそうで。
「そしてその技術。テレビ中継をリアルタイムに編集することは、玲でもやったことがないというのに、それを現在進行形でやりのけている事実。
"元"伝説的ハッカーとはいえ、戦線から遠ざかればその腕は鈍る。玲でさえ…刻々と形態を変える機械の内情に手を焼き、新しいものを取り入れながら対応しているくらいだ。
その玲の要請に、お前が臨機応変に対応出来ているということは…お前もまた、その技術を磨き続けているということ。そういう環境にいるということ。
そこは…ネタが全てのマスコミの世界ではないだろう。
それに…裏に行けば、金になる。ローン返済に回せるな?」
俺はにやりと笑えば、満足そうにクマはうんうんと頷いて。
「理由は…それだけか?」
此処まで…オープンな裏の人間も珍しいと思いながら、俺は続ける。
「それから魔方陣を切り離した、携帯電話を使った爆発。あれは今回俺達が生き残る為には絶対的必須条件だった。それを一介の元ハッカーが、仕込もうとした動機が…"偶然"に頼るには些(いささ)か理由としては弱すぎる。簡単に言えば、あのタイミングでは"出来すぎ"だ」
――坊。時間は0時。"あいつら"が去れば魔法は解け、夢の楽園は…壊される。皆を第4層の魔方陣に連れよ。アオの指示を待て。
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「何で…そう思う?」
目の前の…体毛がやけに目立つ大男は俺にそう聞いてきた。
表情は髭に覆われていてよく判らないが、その口振りは、驚愕というよりは…むしろ嬉しそうで。
「まずは玲が自分の力を含め、紫堂の事情もお前に話し、過去も要所要所でお前に協力を要請していたこと。玲は愚かな男じゃない。警戒心や猜疑心はかなり高い。だが心に感じるものがあれば玲は受入れる。
玲が心開くのは…不幸にも闇部分が多い。相手の抱える闇が自らの闇と共鳴する時、あいつは静かに心を開く。
つまり…玲はお前に深い"狂気"を見たことになる」
クマは何も言わないが、やはり嬉しそうで。
「そしてその技術。テレビ中継をリアルタイムに編集することは、玲でもやったことがないというのに、それを現在進行形でやりのけている事実。
"元"伝説的ハッカーとはいえ、戦線から遠ざかればその腕は鈍る。玲でさえ…刻々と形態を変える機械の内情に手を焼き、新しいものを取り入れながら対応しているくらいだ。
その玲の要請に、お前が臨機応変に対応出来ているということは…お前もまた、その技術を磨き続けているということ。そういう環境にいるということ。
そこは…ネタが全てのマスコミの世界ではないだろう。
それに…裏に行けば、金になる。ローン返済に回せるな?」
俺はにやりと笑えば、満足そうにクマはうんうんと頷いて。
「理由は…それだけか?」
此処まで…オープンな裏の人間も珍しいと思いながら、俺は続ける。
「それから魔方陣を切り離した、携帯電話を使った爆発。あれは今回俺達が生き残る為には絶対的必須条件だった。それを一介の元ハッカーが、仕込もうとした動機が…"偶然"に頼るには些(いささ)か理由としては弱すぎる。簡単に言えば、あのタイミングでは"出来すぎ"だ」
――坊。時間は0時。"あいつら"が去れば魔法は解け、夢の楽園は…壊される。皆を第4層の魔方陣に連れよ。アオの指示を待て。