シンデレラに玻璃の星冠をⅢ

私が出した答えは、6時13分。


「"出た時刻を元にして、ハウス区分表の恒星時を見てみましょう"。由香ちゃん、恒星時って先刻の、出生恒星時表のこと?」

「違うんじゃないか? 表の名称が"ハウス区分表"というんだよ。きっとその中に書かれているのが、恒星時っていう奴なんだよ。因(ちな)みに、それは…このサイトに用意されているようだね。よし、頁に飛んで…」


そして出て来たのは…


「「「……」」」


目がちかちかするような表。

左には"恒星時"と書かれた時刻。

そして右側には、"ハウス名"と書かれたものが、更に12分割されており、それぞれを"第1ハウス"~"第12ハウス"としているらしい。


「各項目に書かれてある、数字の横は星座マーク?」

そして芹霞さんはその表の中の1つの星座を指差して、


「あたし、獅子座なんだけど…さ。今だからそう思うかもしれないけれど…獅子座のマークってさ、ドラゴンヘッドに似ているよね」


そう複雑そうに笑った。


確かに似ていると思う。

ドラゴンヘッドは両側が丸まっているが、獅子座は左右非対称に先端が外に丸まれてあり、何とも中途半端な形をしているけれど。


「まあいいや。ええと…"該当するものを書き取ったら、今度は紙に円を描いて、同じ中心点のそれよりやや小さめの円と、中心点に近い円を描き、三重丸を作ります"…」


芹霞さんは、別の紙の裏に三重丸を描いた。

外周から2cmほど中に入ったもの、そしてそれから5cmほど離れた、中心点に近い場所に描かれたもの、の合わせて三つ。


「次は…"中心点を通る直線を描き、三重丸を上下に分けて下さい"。ふむふむ…。ん…」


「どうしたんだい、神崎。難しい顔をして」


「いやね、S.S.Aで…玲くんが虚数の説明をしてくれた時も、中心点から左だの、右だの、180度だの90度だの…こんな感じだったなと…。流石に図は書かずに、頭の中だったけれど…」


「S.S.A…何だい、君は師匠とあそこに行ったのかい!!! やっぱり師匠、どうしてもあそこに連れて行きたかったんだな…。ずっとずっと…それは本当に行きたそうに、ネット見ては溜息ついて考え込んでいたんだ」


遠坂由香は驚いた顔をした後、三日月目になってむふふふと笑った。

< 253 / 1,366 >

この作品をシェア

pagetop