シンデレラに玻璃の星冠をⅢ
「何で30度になるんだろ?」
サイトの説明がない、変な処で躓(つまづ)きそうな予感。
「……。1周…360度を12等分ですから、360÷12で30度になるのでは?」
「「凄い!!! 頭いい!!」」
頼りになるのはサイトよりも、即答できる桜ちゃん。
桜ちゃん、つるつるほっぺは伊達じゃないね!!
一応書いてみたけれど…30度という角度が判らないから、最後は凄く狭くなってしまったり…どう見ても12等分などではなく。
もう一枚の紙に書き直していたら、桜ちゃんがペンを貸して欲しいと言ったから、ペンと紙を渡した。
すると桜ちゃんは、分割線を引くスペースのすぐ下に、ちょんちょんと点をつけていった。
「半円は180度、その半分の位置は90度。この90度の…円の4分の1のスペースをそれぞれ3等分していった処に点を打ちました。本来はもっと細かくしないといけないでしょうが、30度をその目安として、大体同じ処に分割線を引いていけば問題ないかと…」
「「おお~!!!」」
第1ハウスと呼ばれる範囲自体、ASCの直線から始まっていないから多少ずれているが、常にそれくらいのずれを念頭に、桜ちゃんのつけてくれた点からそれぞれずらしていけば…あら不思議。
きちんと12分割された気がする。
あたしは感動の声を上げながら、12等分された中に、それぞれの星座と数字を書き込んでいった。
「神崎。その12等分して…順番に12星座が入った場所が、総称して黄道12宮というらしいよ。…別名…」
由香ちゃんが苦笑して。
「獣に帯って書く、獣帯(じゅうたい)っていうらしい」
「獣帯? それ…Zodiacの日本語訳の?」
「うん。かっこして、Zodiacって書いてある」
そんなことを意味するバンドの名前だったと初めて知った。
「……Zodiacは…昔から、その名前だったんですか?」
桜ちゃんが首を傾げた。
「確か違うはずだよ。インディーズ時代の名前は……確かアシェン…アシャン…あれ、なんだったけ? シンデレラって意味だったはずなんだけど…」
「アシェンプテル?」
桜ちゃんの言葉に、あたしは大きく頷いた。