シンデレラに玻璃の星冠をⅢ
「玲!!!?」
「馬鹿な!!」
「……くッッッ!!!」
焼き付くような痛み。
気が遠くなる程の痛み。
その痛みに、自然に手から刀が離れた。
何をどう考えればいいのか判らない。
流されて生き続けた罰?
芹霞の身代わりに愛を求めた罰?
何だよ、それ…。
何なんだよ…。
僕は…愛を求めてはいけなかったの?
僕は…幸せな夢を見てはいけなかったの?
罪、罪、罪…。
どこまでも罪深い僕は…
闇に沈むしかない。
痛い。
この激痛は誰の痛み?
もう判らない。
この激痛は、僕の罪として背負っていくよ。
せめてこの――
手の甲の痛みを。
………。
手の甲?
涙で滲む目を、薄く開ければ…
僕の手の甲には血色の…深い傷跡。
それは刀ではなく――
まるで何かの爪にひっかかれたかのような。
5本の真紅の線。
「……え?」
そして僕は見たんだ。
「ニャアアアアアン」
口に脇差を咥え――
宙を優雅に飛ぶ…
白い小さな生き物の姿を。
そして。
「ナイス、クオンッッッ!!!!」
ガッツポーズの芹霞と、由香ちゃんの姿を。