シンデレラに玻璃の星冠をⅢ
幻影 煌Side
煌Side
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廊下の壁にめり込んだような…小さな拳の痕。
昔昔、芹霞との喧嘩の際、腹立った俺の威嚇の跡。
しかしそれに負けじと、頭突きで突進してきた芹霞は…俺ごとこっちの壁にぶつかって。
こっちの大きい方の皹は、俺の頭がぶつかった跡。
俺の威嚇より、芹霞の反撃の方が強かった証拠だ。
そしてこっちの高い位置にある小さな穴は、怒れる緋狭姉が俺と芹霞の襟首を…五寸釘で刺し止めた跡。
掌打で各1発。
それで俺達は…ぶら下がった。
蓑虫仲間になった瞬間だ。
何でこんな跡までリアルに再現?
誰がこんな跡、知ってるよ?
古ぼけた壁。
軋んだ床。
築ウン十年の我が家そのものの佇まい。
櫂が居間へと続く、剥げ剥げの木製のドアを開けた。
「!!!!」
引き摺るようにして、俺の腕を掴んでいた櫂の震えが伝わってきた。
その中に居たのは――
「はろはろ~」
手を振る、胡散臭い青い男と、
「……何だよ」
人間の言葉を話す…
白いふさふさ猫。
正確には…久遠の声。
2人共…青いこたつに入っている。
そしてこたつの上には、焦げ茶色の小さなリス。
カリカリカリカリ、一心に胡桃(くるみ)を囓っていて。
「今、カリカリしてるんだ。あんまり見るなよ、恥ずかしいじゃないか」
顔を上げた下膨れのリスからは…玲の声。
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廊下の壁にめり込んだような…小さな拳の痕。
昔昔、芹霞との喧嘩の際、腹立った俺の威嚇の跡。
しかしそれに負けじと、頭突きで突進してきた芹霞は…俺ごとこっちの壁にぶつかって。
こっちの大きい方の皹は、俺の頭がぶつかった跡。
俺の威嚇より、芹霞の反撃の方が強かった証拠だ。
そしてこっちの高い位置にある小さな穴は、怒れる緋狭姉が俺と芹霞の襟首を…五寸釘で刺し止めた跡。
掌打で各1発。
それで俺達は…ぶら下がった。
蓑虫仲間になった瞬間だ。
何でこんな跡までリアルに再現?
誰がこんな跡、知ってるよ?
古ぼけた壁。
軋んだ床。
築ウン十年の我が家そのものの佇まい。
櫂が居間へと続く、剥げ剥げの木製のドアを開けた。
「!!!!」
引き摺るようにして、俺の腕を掴んでいた櫂の震えが伝わってきた。
その中に居たのは――
「はろはろ~」
手を振る、胡散臭い青い男と、
「……何だよ」
人間の言葉を話す…
白いふさふさ猫。
正確には…久遠の声。
2人共…青いこたつに入っている。
そしてこたつの上には、焦げ茶色の小さなリス。
カリカリカリカリ、一心に胡桃(くるみ)を囓っていて。
「今、カリカリしてるんだ。あんまり見るなよ、恥ずかしいじゃないか」
顔を上げた下膨れのリスからは…玲の声。