シンデレラに玻璃の星冠をⅢ
「ああ、お陰様でね。ネタバレしてしまったが…これは定義(ルール)違反か?」
「いいや…それはない。こちらのミスだ、あはははは~」
ミスではない。
ミスのはずはない。
この男は、ちゃんとヒントを出していたんだ。
定義(ルール)を変えてまで、俺達に示唆していた。
"必然"に――。
それは何故か。
「ねえ…もういい? もうカリカリしていい?」
「オレも爪研いで戦闘態勢に入っているんだけれど」
「ああ、待たせてしまったね。じゃあ…行こうか。俺も早く進みたいしね」
多分――
ROUND2に早く繋げたいのだろう。
それは真実の氷皇の意思か、偽りの氷皇を操る"誰か"の意思か。
どちらにしろ、ROUND1は…ただの前座。
このゲームの本質は、ROUND2にあると思う。
15秒という短い時間で区切っていたのも、それが原因ではないか。
ならば突き進んでやろうじゃないか、お望み通り。
「アカ、五感異常と15秒ルール、ペナルティーを撤回。
ここからずっと…俺を交えて、大乱戦と行く」
『櫂様、残りあと…4分を切りました。櫂様の点数は85点。イヌの点数は90点です』
「俺…90点なんて生まれて初めてかも…」
そんな煌の感動を尻目に、
「ありがとう、ニノ。
ゲームは振り出し。
では、これから…
逆転劇と…行こうか」
俺は…笑った。