シンデレラに玻璃の星冠をⅢ
玲くんの慌てた声が聞こえる。
拒否反応って何?
あたしの心臓なのに?
――ちゃあああん!!
――んじゃ嫌だあああ!!
泣き顔。
誰…?
走る橙色。
真紅の瞳。
ああ、あれは煌だと判るのに。
――ちゃあああん!!
あたしは…
思い出せない子がいる。
心臓。
あたしの心臓が関係あるの?
「芹霞!!? 紫茉ちゃん、君の…ジキヨクナールは此処にある!!?」
「ジクヨクナール!!? 何で…あれは…」
「僕で有効だったんだ。芹霞にも効くはず!!! 早く!!!」
「神崎~確りしろよ!!!」
金色。
金色。
ああ…久遠の瞳も、初めて会った時は金色だった。
蓮の瞳も金色で…。
金色…。
――錬金術って知ってる?
金…。
――私が好きなのは、金じゃなく黄色。
――金なんて、ただ光ってるだけで嫌い。
誰?
――だけどね、金を上げると…皆が言うこと聞くの。
――金は凄いね、黄色には負けるけれど。
今度は誰の声!!?