シンデレラに玻璃の星冠をⅢ
『告知致します。櫂様、時間になりました』
「よし。最初の3つくらいは見逃す。つまり90秒、全員でやる」
櫂は笑った。
「櫂、やばいって~。俺だって自信がねえ」
「これに賭けるしか…早く仕上がれないんだ。とにかく早く問題を解いていかないと…。不正解でもやらないといけない。俺も解いていくが…翠とレイのは、明らかに違うものだけ、同時進行で俺が修正する。
時間は様子を見ながら俺が指示する。ニノ、設定をまず90秒ごとに知らせてくれ」
『畏まりました』
「レイ。この山を皆と協力して1問4秒以下で解いて無くして行けば、後で沢山胡桃をやる」
「本当!!?」
玲リスは喜んで飛び上がった。
「本当だ。だから頑張れ」
「うん!! 僕、芹霞への求愛の為に頑張るよ!!!」
櫂は何とも複雑そうな笑みを返した。
だから俺も真似して。
「小猿、お前も頑張れば…桜に抱きつかせてやる」
「本当!!?」
小猿も飛び上がって喜んだ。
「煌、何で桜?」
「まあ…男には色々あんだよ」
『GAME START』
今度は…
「そう、朱貴の声なんだ!!」
小猿が喜んだ声を出す。
何で…氷皇、紅皇の後が…朱貴だ?
そんな疑問を胸に、俺達は筆記に取りかかる。
カリカリカリ…
カリカリカリ…
先刻までとは違うカリカリを響かせて、勇ましく玲リスは鉛筆を動かす。
小猿も凛々しい顔をして次々に解いていく。
難しくて判らないモノは櫂にして貰うということで飛ばさせ、出来るものだけをやらせているとはいえ…
早すぎだ。
絶対おかしいって。
胡桃と桜の威力は素晴らしいらしい。
櫂は順当にすらすら解くけれど、この2匹のスピードには敵わないようで。
俺なんか、見ただけで目がチカチカ、ちんぷんかんぷん。
やり終え溜まる、猿とリスの解答。
「櫂、あいつらの出来上がったの一度見るか?」
「ああ…」
そしてその解答を見た櫂は…
「ははははははは」
身を捩って笑い始めた。