シンデレラに玻璃の星冠をⅢ


問い――

『下線部をカタカナに直しなさい』


答え――

『カセンブ』



問い――

『○を全て埋めなさい』


答え――

その紙中、問題になっている○を全て鉛筆で●に黒く塗り潰した。



「くっ………」


自信あった奴なのに…櫂の身体が震えているんだ。


「何でだ? え? 違うのか!!?」


「いや…。いや……」


いやしか言ってねえぞ、櫂。

その間も手は動いているけれど、ぶるぶる震えている。


何処かおかしいトコあったかな…。


気づけば、リスと小猿が覗き込んでいて。


「あ、ワンコ!! そこ塗り忘れている!!」

「あ…」

「馬鹿犬め。猿に指摘されないと正解できないのか!!」

「ちょっと見逃しただけだろ!!?」


「ふん。僕は忙しいんだ」

「俺は先刻塗りつぶしが"■"だったけど、"●"は見にくいな。気をつけようぜワンコ?」

「そうだな」


カリカリカリ…。

カリカリカリ…。


ああ、櫂に笑われちまったよ。

1つ塗り忘れていたから。


「煌…そういう"塗り"問題ばかり解いていけ。問題選んで良いから。俺は…皆が出来ない問題解いて行…くくっ…」

「おう?」


櫂は俺と目を合わそうとしない。


「レイと翠にも…同じ解答や…似た解答がある…。……。"下線部を英語に直せ"が…"underline"、"□を漢字に直せ"が…"四角"…まあ確かにそうだけどさ…」


また櫂は身体を震わせた。


合ってる…よな?


可笑しい要素あるか?




◇◇◇

《UnderWorld 007》


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