シンデレラに玻璃の星冠をⅢ
はっとした。
氷皇に、思い切り抓られた僕の頬。
今まで熱くて熱くてじんじんしていた頬は…今は落ち着いている。
もしかして…痛みが麻痺している程、腫れにいいだけ腫れているんじゃないだろうか。
今までのぷっくぷくを遙かに超えて、ぶっくぶくの…それはそれは、醜い姿になっているんじゃないだろうか。
多分…そうなんだ。
じゃないと皆、そんなに驚いた顔はしないだろう。
嘘…。
僕の顔…何処まで醜くなっていくの?
本当に僕の頬は元に戻るの?
もし、戻らなかったら…。
その時びゅんと飛んで来たのは、
「何だ!!?」
朱貴から放たれた、ぴかぴかに磨かれた銀の皿。
それを手で受けとめた僕は、朱貴に顎で促された。
それで顔を見ろと。
怖い。
だけど現実を知るのもまた…"強さ"だ。
強くなれ。
逃げるな。
「!!!!!!」
僕は見た。
見たんだ。
「僕の頬!!!!!」
思わず――
涙声を上げてしまった。
「治ってる!!!
ぷっくぷくじゃないッッ!!!」
以前の…僕の顔がそこにあって、僕は感激に身震いした。