シンデレラに玻璃の星冠をⅢ
現実…。
そうだあたしは、
――僕と付き合って下さい。
――よろしくお願いします。
あたしは玲くんと――…。
ばたりとベッドに倒れ込んだ。
「ちょ…芹霞!!!? どうしたの!!? 熱でも出た!!? 何でこんなに真っ赤!!? 疲れて血圧でも上がってる!!?」
「ち、違……。れ、玲くん…念のために聞きますが…"お試し"は…本物になったんだよね」
「え…?」
「玲くんは…あたしの…彼氏サン…なんだよね?」
そう、心配げな端麗な顔を見つめた。
"彼氏サン"
ぼっ。
ああ、駄目だ。
禁句だ、"彼氏サン"。
恋愛初心者のあたしに、強烈な先制パンチを食らわす凄い奴。
"彼氏サン"
意識したら、まともに玲くんが見れなくなってきたじゃないか。
こんな時に不謹慎だとは思うけれど…あたしの初彼氏サンなんだ、玲くんは。
恋人になっちゃったんだ…。
ぼっ。
ぼぼっ。
俯いて顔をあげれないあたしは、玲くんに仰向けにベッドに押し倒された。
どうして顔が赤くなったら消えないんだろう。
熱くて堪らない顔を見せたくなくて、両手で顔を隠していたら…玲くんがその手を外して、顔の横に手で押さえつけてしまった。
「ふふふ、真っ赤…」
超至近距離。
舐めるようにして観察される。
「いやあ…見ないで~」
「駄目」
「いやあ~」
「はははは。可愛いよ…?」
ぼぼぼぼっ。