シンデレラに玻璃の星冠をⅢ
「だあ!!! チビ、男だろ、めそめそすんな!!! おう、小猿さんきゅ。ほら、小猿が胡桃取ってきてくれたぞ? だから…「胡桃ッッ!!!」
それを手に取り、元気よく飛び跳ねたレイは、
「俺、許可してねえぞ!!!?」
あっという間に煌の頭上で…胡桃を囓り始めた。
「つーか、何で俺の頭の上よ!!!? 地面でカリカリしろよ!!!」
カリカリカリカリ…。
「僕の胡桃。求愛の胡桃。カリカリしなくちゃ…うふふふふ」
カリカリカリカリ…。
「聞いてねえし…」
「瀕死…だったのに、変わり身早っ!!!」
「「所詮…本能で生きるリスだもんな」」
煌と翠が同時に、何とも投げやりな声を上げた。
「がはははははは!!!」
クマは豪快な笑い声をあげ、俺は失笑していた。
そんな中で、
「なんやねん、なんやねん!!!
ひーちゃんはフローラルや、フローラル!!」
情報屋だけが、ダンダンと足を踏み鳴らしていたけれど。
「情報屋、話を戻すぞ」
今度はクマが、ゆったりと俺の前に出て質問してきた。
「此処を夢だというのなら。今在る俺達はどう説明する?」
「推測だが…あの喫茶店から抜け出たのは、俺達の"意識"の気がする。俺達の実体、肉体の方は…まだあの喫茶店にて護られているのでは?」
「櫂、あそこは銃撃戦だったんだぞ!!? 誰が俺達を護っているって? あの…"コマンドーマスター"か!!?」
煌の声に、俺はゆっくりと頭を横に振る。
そして指をさして言った。
「情報屋によって」