シンデレラに玻璃の星冠をⅢ
「だけどお前、闇は力は使いたくないって…」
「非常事態だ。闇遣いは闇使いの矜持がある」
俺は不敵に笑うと、闇石を上に掲げた。
芹霞の為に存在する闇の力。
"約束の地(カナン)"以来の開放か。
だけど、今回は趣向が違う。
これは"確認"なんだ。
俺の予想通りならば…
「この瘴気を、闇を。
全て石に吸収させて貰う!!!」
真なる闇が深ければ深いほど、此の場は俺にとって有利になるはずで。
「お、お前…今更だけど、病み上がりなんだし、そんなちっこい石にこれだけの瘴気が一気に流れてきたら、幾らお前だって…」
「闇属性は…1度闇に沈めば、闇に対する耐久力がつく。大丈夫。俺を信じろ。玲の…月長石の吸収を真似させて貰おう」
「…僕が何?」
「お前じゃねえ。いいから寝てろ。ゲージだが何だかを早く回復しろ」
そして俺は――
「……我が元に集え!!!」
闇を呼んだ。
弾くのではなく。
「ワマス ウォルミウス ヴェルミ ワーム!!」
覚えたての意味不明な言葉を、俺は叫んだ。