シンデレラに玻璃の星冠をⅢ


ああ…煌や芹霞が喜びそうな"秘密機械"。

だけど思う。

こんな…どうでもいい処にあるどうでもいいことに、わざわざお金をかける奇特な奴は、氷皇くらいしかいないと。

だけど正直、今の僕には…3倍ほっぺになろうとも、氷皇に付き合っている余裕はない。

車の走行だけに力を注げばいい状況となり、心にゆとりが出来たとはいえ、何1つ問題は解決していないんだ。

ただ皆の力を借りて、時間を先伸ばしにしているだけで。

僕の力を離れた途端、この車が炎上してしまうのを見越すならば、追いかけてくるトラックを何とかしないといけないわけで。

僕がトラックを奪いに行く間、芹霞と由香ちゃんを炎上から守れる専属の者が居ないんだ。

もし僕から0と1の恩恵効果が失われたら、おかしな虚数を放つ本拠地で、変調をきたした僕は2人を守りきれる自信はない。


幾ら芹霞にクオンがついているとはいえ、クオンの力はまだ弱く。


ああ、桜。

お前が居てくれれば此処まで苦戦しなかったのに。

いやそれより、早くお前の傍についててやりたい。


だからこそ先を急ぐ僕は、はっきりとした確証ある打開策が欲しいんだ。

さんざん振り回された挙句に、"あははははは~"で終わられたら、僕は死んでも死に切れない。


更に由香ちゃんの言葉は続く。


「その出てきた青い紙にはね、

『はろはろ~。氷にまみれた青い紙の解答を入力してね☆』

そういえばボク朱貴に言われて、クーラーボックスの蓋から取って、銀の袋に詰め込んだこと思い出して。それがこれさ。中には2枚入っててね、まず1枚目が…むふ」


………。

"むふ"?




1枚目は平仮名ばかりのものだった。



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きゅんきゅんするかのじょ
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さんとらぶらぶしてますか☆
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きせいじじつはもうつくり
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ましたか☆
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あさはこしをいたわってね☆
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ぜんぶもらったのなら
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いろんなとこめでたろなと
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にやにやしちゃいます☆
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もうえっちなんだから☆
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どーなつがすごくほしい
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せらあおいちゃんより☆
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P.S. 寝転んで書いてたんだ。
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やっぱ起きて姿勢正さなきゃ
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人間駄目になるね。歳かな。
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あははははは~
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………。



怒!!!!
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