シンデレラに玻璃の星冠をⅢ
やると決めたら、さっさとやろう。
僕は考えを纏めていった。
「僕がひっかかるのは、まず魔方陣を11列11行に指定していること、それが虚数を引き合いにしていること。
そして1枚目の紙は、全てが平仮名でかかれていること。☆は無視していいと思う。全てが1文の最後にあるから。
そして蛇足めいた"P.S."は多分、ヒントだ。今までのパターンを踏襲しているのなら」
11×11の魔方陣…。
121文字のマス目。
導く解答は数字。
だけど平仮名には、数字的要素は何もない。
そして、魔方陣と言うからには、その数字配列は足して同じ数にしないといけないし、ましてや11マスの魔方陣となれば、全てのマス目を掛け合わせるとなれば…
「由香ちゃん、数字入力出来るボタンのパネル、何桁くらい入力可能?」
「ちょっと待ってよ…。ええと…んしょんしょ…7桁だね」
ありえないくらいに、桁が少なすぎる。
ということは、条件としては――
121マスを全て掛け合わせて、999万9999以下の数字にならなければならない。
そしてそれは魔方陣として機能していなければならない。
…ということが付加される。
何で魔方陣の問題にしたのか。
足して同じ数だなんてややこしい繋がりを、11列11行に求めるなんて。
「ん……?」
繋がり……?
「まさか…、文を…繋げろと?」
『きゅんきゅんするかのじょさんとらぶらぶしてますか☆きせいじじつはもうつくりましたか☆あさはこしをいたわってね☆ぜんぶもらったのならいろんなとこめでたろなとにやにやしちゃいます☆もうえっちなんだから☆どーなつがすごくほしいせらあおいちゃんより☆』
………。
見えない。
意味する処が。
「うーん、☆までの文字数とかじゃないね。☆までは各ブロックは24、16、12、32、10、21文字だし、ブロック数は6つで11でもないし…。何で11なんだろうね」
その時、閃いたんだ。
「由香ちゃん、それナイス!!!」
「ふえ?」
「全部足してみてよ!!」