シンデレラに玻璃の星冠をⅢ
「言ったろう。妾達は…待っていたのだ。そなた達のような者が現われるのを。だから…いつでも、こうした宴会を開く準備は出来ていたのだ。毎日のように…待っておったのだ…」
こけしの声が震えた。
「おばあちゃん!! 宴会の前だというのに、何めそめそするのさ!! これからこいつらと楽しんで、親睦を深めるんだよ!!?」
そう息巻いて叫ぶ牛も、きっちりとした着物に着替えて、髪を結い直したようで。
そうやって見れば、ただの乳のでかい…女だ。
そして忍者達も、忍び装束みたいな服の形はそのままだが、色が今までの黒色から明るい…色取り取りのものへと変っていて。
こいつらの弾んだ心が、外面に現われていた。
こいつらの期待する未来はこれからの"課題"で、今はただ口約束にしかすぎないというのに。
あんなに敵意を向けられていたのに、その実…待たれていたのか俺達は。
迎合出来ないと諦めていたら、今頃どうだったのだろうか。
ああ、心っていうもんは、見掛けでは判らない複雑なもんで、深く掘り下げて対話してみないと判らねえもんなんだな。
「ウジガミ様ッッ!!!」
わらわらと寄ってくる大勢の忍者達。
「さあ一杯!!」
「あのさ俺、未成年…」
「ウジガミ様ガオ好きな『鬼殺し』でス」
「どっから手に入れたその情報。それを好きなのは俺じゃなく」
「ウジガミ様」
「ウジガミ様」
………。
ああ、本当にもう――
「てめえら、見てろよ!!」
俺は鬼殺しをラッパ飲みだ。
「「「ほぉ~」」」