シンデレラに玻璃の星冠をⅢ
真意 櫂Side
櫂Side
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信じたいのに、信じることが出来ない。
信じられないと思うのに、信じてしまう。
人は――
どちらの道を辿るのが幸せなんだろう。
ただひたすら救済の日を心待ちにして、しかしその日がいつ現われるのか判らず、突然その日が現われたことに疑心暗鬼となり、結局何が真実か判らない。
期待に惑わされ、希望に振り回され続け……、表を憎み同時に表を愛し、執着して渇望する様は表裏一体の愛憎で、諦めを見せぬその情は狂気にも似て。
そこまで追い詰めたのは、俺達と同じ人間…表の奴らに他ならない。
罵倒され攻撃されるの覚悟でいた俺に、煌の存在が空気をがらりと変えた。
俺達へ敵意を向けていた者達からの歓迎に、正直俺は戸惑った。
此処までの歓迎を受けるとは思っておらず、だからこそここまで期待かけられていたとは思わずにいて。
その輪の中心は煌だと思った時、それを頼もしくも思う反面怖くなった。
『ご帰還』
即ち、この者達は――
信仰の中心たる煌が、此の世界に還るのが当然と思っていることに。
だから待っていたのだということに。
それを前提とした調和。
それが当然の帰結。
そして俺は、感じていた。
夢路の説明にはまだ不十分すぎたということに。
あの説明だけでは不足が多すぎる。
肝心な部分は煙に巻かれて強制終了されている。
だから俺は、宴会の最中に夢路を呼び出したんだ。
夢路はそれが判っていたらしい。
目が合っただけでこくりと頷き、俺に着いてこいと顎で促し移動を始める。
煌も翠もレイも護法童子も、皆それぞれに盛り上がっていたから、誰も俺の動きに気づく者は居ないだろう。
それでもいい。
いや、むしろ煌には気づかないでいて欲しい。
恐らく煌に訊かせたくないから、夢路はあの場で曖昧にぼかしたはずなのだから。
もしも…俺の予想通りであるのなら。
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信じたいのに、信じることが出来ない。
信じられないと思うのに、信じてしまう。
人は――
どちらの道を辿るのが幸せなんだろう。
ただひたすら救済の日を心待ちにして、しかしその日がいつ現われるのか判らず、突然その日が現われたことに疑心暗鬼となり、結局何が真実か判らない。
期待に惑わされ、希望に振り回され続け……、表を憎み同時に表を愛し、執着して渇望する様は表裏一体の愛憎で、諦めを見せぬその情は狂気にも似て。
そこまで追い詰めたのは、俺達と同じ人間…表の奴らに他ならない。
罵倒され攻撃されるの覚悟でいた俺に、煌の存在が空気をがらりと変えた。
俺達へ敵意を向けていた者達からの歓迎に、正直俺は戸惑った。
此処までの歓迎を受けるとは思っておらず、だからこそここまで期待かけられていたとは思わずにいて。
その輪の中心は煌だと思った時、それを頼もしくも思う反面怖くなった。
『ご帰還』
即ち、この者達は――
信仰の中心たる煌が、此の世界に還るのが当然と思っていることに。
だから待っていたのだということに。
それを前提とした調和。
それが当然の帰結。
そして俺は、感じていた。
夢路の説明にはまだ不十分すぎたということに。
あの説明だけでは不足が多すぎる。
肝心な部分は煙に巻かれて強制終了されている。
だから俺は、宴会の最中に夢路を呼び出したんだ。
夢路はそれが判っていたらしい。
目が合っただけでこくりと頷き、俺に着いてこいと顎で促し移動を始める。
煌も翠もレイも護法童子も、皆それぞれに盛り上がっていたから、誰も俺の動きに気づく者は居ないだろう。
それでもいい。
いや、むしろ煌には気づかないでいて欲しい。
恐らく煌に訊かせたくないから、夢路はあの場で曖昧にぼかしたはずなのだから。
もしも…俺の予想通りであるのなら。