いじめのその先

一通り説明が終わり、グループ決めの時、クラス委員の『西山 沙羅(にしやま さら)』ちゃんと『村井 正紀(むらい まさき)』君から提案があった。
「えっと…クラス委員から提案なのですが、グループ決めから、どこに行くかまで私達生徒で決めたいのですが…。」

「え?」

突然の提案に先生も他の生徒も、戸惑いを隠せないようだ。

「西山さん、村井君どうゆうこと?」

「はい。この移動教室はあくまで勉強です。なのでただ遊びに行くのではなく、グループをどうやって分けるか…クラスやグループで行く場所はどこにしようかなど時間も含めて僕達で考えさせて欲しいんです。」

「いくら勉強って言っても、先生が計画立てては勉強にならないと思うので。」

「確かに…そうかも。」

二人の意見にクラス中から賛成の声が上がった。
二人の熱い想いと、クラスの歓声に先生も一言返事で承知した様だ。
すべての意見がまとまったら、クラス委員の二人が計画書を職員室に持って来ることにして、先生は教室を後にした。

この時の私は知らなかった。
このクラスに違和感がまだ残っていたことを。
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