いじめのその先
「………」
「千南ちゃんと離れちゃったね~。」
幸恵ちゃんが後ろから残念そうに息を吐いた。
「そうだよね…。」
私は返事を返し、ちらりと隣の席を見た。そこには赤髪と相変わらずぶすっとした顔があった。
なんでよりによって月島君って言う人と…。
幸恵ちゃんか飯田さんの隣になることを願っていた反面軽くため息をつく。
でもせっかくだし何か話さないと…そうだ!!いじめのことについて聞いてみよう!
そう思い、一呼吸おいてからは月島君に話しかけた。
「ねぇ…月島君、伊豆楽しみだね♪」
まずはたわいない話からしていこうと話始めたが…
「別に。」
彼の一言で幕を閉じた。
「えっと…あの―」
「あんた意外と変化球で来るんだね。」
「…え?」
「ストレートに聞けば良いじゃん。イジメについてどう思うか。」
「それは…」
「自業自得だよ。」
「え…それって―」
「おい星也、お前もこっち来いよ。みんなでトランプやるぜ!」
繰り返し聞こうと思ったが、佐々木君の言葉に月島君は席を立ってしまった。
『自業自得』
確かに言った言葉が頭に残ったまま、ぼんやり変わりゆく外の景色を見ていた。