いじめのその先
「美味しい♪」
伊豆高原駅の近くにあったお店の、アイスを頬張りながら幸恵ちゃんは幸せそうに言った。
私達女の子はバス席の隣になった男子にアイスを奢ってもらうことにした。
私はミルクソフトを口にしながら月島君のちらりと見る。
なんか悪いような…そんなことを思っていると月島君が口を開いた。
「遅れたこっちが悪いから、別に悪いと思わなくて良いから。」
「え?」
心が読まれるとびっくりしながら横を見る。
「…顔に出てる」
「っ~」
恥ずかしい…。心で思ってただけなのに顔に出てたなんて。
「んなことより飯食わないか?」
ふと携帯を見ると11時半を指していた。いくらアイスを食べても、これだけではお腹の足しにならない。私は月島君に軽く頷くとみんなの方へ振り返った。
「そろそろお昼にしない?」
私の言葉にみんな笑顔になり、事前に決めていたお店へと向かった。
お店に着くと店員さんは外席の海が見える席に案内してくれた。
「海見ながらご飯食べれるなんて良いね♪」
幸恵ちゃんが笑顔で話しかけて来た。
私も笑顔を返し、メニューを開いた。
食事しながら私は今後の予定を確認していた。
「次はガラス工房に行き…その後いちご狩り、最後に海だね。」
私の言葉に反応するように幸恵ちゃんは口を開いた。
「私ガラス工房なんて初めてだから、楽しみ♪」
その隣では立川君達がいちごがいくつ食べれるか競争な!!なんて話している。
私はちらりと飯田さんの方を見た。
今クラスで起きていること。この移動教室中に何かあると思っていたが、何も起きなさそうなこの状態に少し安心しながら食事を続けた。