いじめのその先
最低で最高の一日 2
出来たガラス工芸品は乾くのに一日かかるみたいなので、家に送ってもらうことにした。
ガラス工房を後にした私達は、次の目的地のいちご狩りへ急いだ。
「ふ~腹いっぱい!!」
「本当に競争なんてやったの?」
お腹を押さえ、ちょっと苦しそうにしている立川君達に幸恵ちゃんは呆れながら聞いている。
「もちろん♪…と言いたいとこだけど、正直誰が1番か分からねぇな。」
「みんなけっこう食べたしね。」
立川君の言葉に苦笑いを浮かべてそう答える私に、佐々木君は意地悪そうな声で喋り始めた。
「俺らも食ったが、お前ら女子のが絶対食ってるぞ。入る前と比べてなおさら真ん丸してるしな~♪」
「え…嘘!?」
太ったかと思った私は急いで鏡で自分の顔を見る。
「相原、冗談だ。怜もあんまりからかうなよ。」
「冗談…って佐々木君!?」
「星也~なんで冷静にツッコミ入れるかな~。もう少し騙せそうだったのに。」
「あのね~本気にしちゃったじゃん!!」
「てかけっこう千南って話せるんだな~♪冗談も通じないやつかと思ってた!!」
笑いながら立川君に言われて若干のショックだった。そんなにとっつきにくかったかな…?
「まぁ…怜のあんな言葉に騙されるんだから、馬鹿なのは思ってた通りだけど。」
「ばっ…ちょっと月島君!いくらなんでも失礼じゃない!?」
怒り全開で月島君に当たった私だけど…彼は「次海行くか~」と、見事にスルーされてしまった。
月島君の言葉を元に、一行は海へ向かった。
そして、小声で幸恵ちゃんに話しかけた。