いじめのその先
私達は様々な自転車に乗って楽しんだ。
四人乗り、二人乗りや一人乗り。
そして小さなレースを体験したりして過ごした。
「そろそろお昼にする?」
紗羅ちゃんがふと口にした時は12時を回っていた。みんなで顔を合わせ、レストランに向かった。
その途中で幸恵ちゃんがトイレに付き合ってほしいとのことで、レストラン前に二人を残して幸恵ちゃんと再びパーク内を歩いた。
「すごい楽しいね♪」
「うん!!あ、午後からはこっちのエリア行かない?」
私達はトイレを済ましてから、レストランまでの間、午後からの予定を話していた。
「…でも良かった。」
会話を一通り終えて、独り言の様に呟いた私の言葉に幸恵ちゃんは不思議そうな顔をした。
「前日のことがあったから、咲枝ちゃんと行くの反対されるかと思った♪」
冗談まじりにはにかむと、幸恵ちゃんは言葉を失ったように悲しそうな表情をした。
「ど…どうしたの?」
また何かまずいことを言ったかと慌てて口を開くと、信じられない言葉が返って来た。
「…作戦変更して、一緒に行動しただけなの。」
作…戦…?
私は思考が完全に停止していた。
「ごめん…ごめんなさい。」
ひたすら謝り涙を流す幸恵ちゃんを前に、私は何も言えなくなってしまった。