いじめのその先
「ねぇ咲枝ちゃん、友達にならない?」
私の言葉に咲枝ちゃんは一瞬驚いた。が、すぐにいつもの無表情に戻ると小さな声で呟いた。
「―い」
「え?」
「友達なんか要らない。…もう助けなくて良い。だから余計なことしないで。」
「でも…」
「良いから、ほっといて!」
そう言った咲枝ちゃんの顔はとても淋しそうだった。言い捨てると咲枝ちゃんはみんなが居る方に向かってしまった。
私は咲枝ちゃんの淋しそうな顔を思い出しながら、崖にしゃがみ込んだ。
「…私のやってることってただのお節介なのかな…」
「そうだな。」
独り言のように言うとどこからか声が聞こえた。顔を上げると月島君や佐々木君達が立っていた。