いじめのその先

空也はもともと身体が弱く、環境の良い田舎で
暮らしていたが、体調も順調ということで星也が居る学校に入ることになったんだ。

慣れない都会での学校生活を配慮してか、咲枝は頻繁に空也に話しかけてた。最初は同情心だと思い、やや迷惑そうな空也だったが、咲枝の明るく元気な性格に笑う回数も増えていった。

「空也君♪体調良いならバスケやろうよ!!」

「お、良いな~!!みんなでやろうぜ♪」

「ちょっと智一!!邪魔しないでよ~!」

「なっ…邪魔って何だよ邪魔って!」

あいつら二人は顔を合わせば喧嘩ばかりだが、俺らは二人の元気な姿に救われていた。

こんな幸せな日々がずっと続くと誰もが思っていた時、咲枝の様子が少しずつ変わっていったんだ。
< 42 / 79 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop