いじめのその先
「…本当にみんな仲良かったんだね。」
今まで佐々木君の話を聞いていた私は、ふと声に出していた。
「あぁ。それに咲枝も明るく、一年の頃は学級委員もやってた。」
私の言葉に反応した月島君は、さらに言葉を足して答えた。
「そうだったんだ。…でも様子が変わっちゃったってこと?」
俯き加減に聞くと、今度は佐々木がため息をつき答えた。
「そう。咲枝の今までの様子も気になったが、海での出来事で咲枝の本当の性格が分かった。」
「本当の性格…?」
繰り返した言葉に、彼は無言で頷いた。
そして話を続けた。