いじめのその先
海に着いた俺達はいち早く海へと駆け出した。
でも咲枝は海へと入ろうとはせず、ただ眺めてるだけだった。
空也は気になったのか話しかけてて…やがて崖のある方へ行ってしまった。
一緒にというよりは、空也が後ろから付いて行くって感じでさ。
そしてしばらくしても二人は戻って来なかったから心配になり、俺達は様子を見に行った。
そしたら…咲枝と横になりぐったりしてる空也が居て。
俺らは何があったのか聞いた。しかし咲枝から出て来た言葉は信じられなくて…。
顔が曇ったみんなを気にかけながら、私は恐る恐る聞いてみた。
「ねぇ…言葉って?」
「落とした。」
「え?」
突如声がした方へ向くと、無表情の咲枝ちゃんが立っていた。
「私が空也君を落とした。そう言ったの。」
「咲枝…」
そう言った佐々木君の声は、今にも消えそうだった。
そして咲枝ちゃんは私に身体を向けて、淡々と言った。
「…これで理解したでしょ?私達クラスの関係が…。貴方も分かったならこれ以上私に関わらないで。」
咲枝ちゃんの言葉が頭に響いた。私は突き刺さる言葉に何も言えず、立ちすくんでいた。
その後、移動教室が終わった後も前と変わらないクラスの関係があった。
納得はしてない、でも私は何も言えない日々が続いていた。