いじめのその先
双子の弟
私は今屋上に来ていた。
場所は違うけど、ゆきと最後に一緒に居た場所だから、ゆきが側に居る気がする。そんな想いから、よく考え事をする時は良く来る場所だ。
「ゆき…どうしたら良いのかな?」
空に向かって呟いた。
何も答えず、ただ青だけが広がってる空に涙が滲んできた。
「~っ…私が落ち込んでどうする!!」
大きな声で気合いを入れると、うんざりした声が聞こえた。
「ごちゃごちゃうるせぇよ。」
「あ…」
声がした方を見ると、屋根上からこっちを見下ろしている月島君と目が合った。
そういえば、月島君って双子の弟を…。そう思うと無理に事情を聞き出そうとした、罪悪感が生まれてしまった。
「あの…ごめんね。」
「は…?何が?」
彼は分からないとばかりに目を見開いた。
「弟君のこと無理に聞いて…。辛いよね、思い出すの。」
「…別に。会える距離だしな。」
「そうだよね会える……え?だって…海から落ちたってー」
そう言いかけると深いため息が聞こえた。