いじめのその先
さらに月島君はちょっと怒り気味の声を出した。
「弟を勝手に殺すな。」
「………え~!?生きてるの?」
「当たり前だ。…ただまだ入院中。退院したらまたA組に戻ることになってる。」
「そう…なんだ。」
私はふとあることを思い付いた。
「だったらその弟君に聞いてみようよ?誰に落とされたかさ…」
「あのな~真っ先に聞いたよ。そんなこと。」
「何て言ったの?」
「……自分で落ちた。」
予想外の答えに、私は目を丸くした。
「でも、あれは明らか誰かに落とされた。そしてあの場には咲枝しか居なかったから…」
「…だから咲枝ちゃんが落とした?」
「俺だって…考えたくねぇ。だけどそれしかないんだ。咲枝の様子だって変だったし。…次、自習だからってサボんなよ。」
月島君はそう言い残すと屋上を立ち去った。そして私はまた一人、空を見上げていた。
みんな苦しいんだ。そりゃあ空也君は月島君の弟だもん…苦しくないわけない。どうしたら…。
「あ…」
私はあることを思い付き教室へと駆けて行った。