いじめのその先
咲枝の様子が変わった時、心配になり気晴らしにと海に誘った。
でも咲枝は入ろうとはせずに崖の方に行ってしまった。
「咲枝!!」
声をかえると咲枝は一瞬無表情だった。でもすぐにいつもの笑顔に戻った。
「空也君♪どうしたの?向こうで遊んで来なよ~。」
「咲枝こそどうしたんだ?こんなところに。」
「あ、私!?私は普通に海を見下ろしに来たの♪」
「海みたいならあっちの浜辺の方が…ここ危ないし…」
そう言うと咲枝が急に笑い出した。
「大丈夫だよ♪空也君より運動神経良いし~。」
からかうように言うと、途端に表情に変わった。
「それに、ここの上から見下ろす海って気持ち良いし綺麗だから…。」
「…」
僕は意を決めてもう一度咲枝に聞いてみた。
「咲枝…何があったんだ?」
「え…何が?」
咲枝は目を丸くしてはキョトンとした。
真っ直ぐ咲枝を見つめ再び口を開けた。
「好きだ。」
「え…」
「咲枝が好きなんだ。だから…何も隠さないで話してよ。」
ますます目を丸くした咲枝は何かを口にしようとした、その時―。
「咲枝…お前何やってんだよ?」