いじめのその先

静まり返った教室では一つの影があった。

「良かった、まだあった。」

黒板に書かれた『卒業』の文字と共にクラスの皆それぞれが書いた文字や描いた絵。
個性が出ていて性格が表れている。
それに向かってシャッターをきる音が聞こえた。

「・・・空也くん」

それと同時ぐらい響いた声。

「咲枝。」

「慌てて教室戻ってくるのが見えて。何かあった?」

「ううん。皆で集合写真を撮ったけど、この文字だけって撮ってなかったーと思ってさ。」

「それ。。玲が張り切って撮ってたような気が。。」

「え、それ本当!?」

「うん、確か。。」

「そっかぁー・・・」

「なんて、う・そ!知ってたよ撮ってたの。」

「え?」

「僕の勘だけど・・僕が教室戻ったら追っかけて来てくれると思ってさ。咲枝が。」

「え?」

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