いじめのその先
相変わらずの風の中、手すりを掴みながら一言呟いた。

「ゆき、とうとう卒業だよ。・・・おめでとうー!」

最後はやや大きな声で叫んだ。すると後ろ手に声がした。

「卒業の日ぐらい静かにしろよ。」

「あ、星也!」

そこに立っていたのはぶすっとした表情の星也だった。

「とかなんとか言って~星也だって叫びたいんじゃないの?」

「いや意味わかんねぇ発想するなよ。」

「・・・星也と空也って本当に双子なんだよね?」

「?当たり前だろ?」

「そんなに性格の違いが出るーって痛っ!」

言い終わらないうちに星也がほっぺを捻ってきた。
 
「何するのさ!」

「ふざけたこと言ったお前が悪い。」

「うぅー。。」

やや納得がいかないがこれ以上怒らせてもなので黙ることにした。

「・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・・・」


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