いじめのその先
「ねぇ、何か話してよ。」

「俺は静かになりたくてここに来ただけだ。てめぇが勝手に話せ。」

「むぅ・・。ねぇ、星也は何で空也と同じ高校受けなかったの?同じぐらいの学力レベルじゃん。(意外と)」

「おい、地味に心の声漏れてるぞ。」

少々怒り気味に返された。

「・・・別に高校なんてどこでも良かったし、バイトもしたいから学力ギリのところは嫌だっただけだ。」

「もしかして一緒が良かったの?」

「あぁ!?誰がてめぇと一緒が良いって言った!」

「?いや、私じゃなくて玲とか咲枝とかと。。」

「・・・別に誰かが行ってるとかじゃねぇ//」

「ふーん、なんとなくねぇ~。星也照れてるの?」

ちょっと顔を赤らめたところが見えたから、からかい気味に聞いてみた。

「・・・//っ別に」

「な~んだ、可愛いところあるじゃん♪」

「違うっての!てか男に可愛いとかねぇよ!!」

卒業式ではずっと泣きっぱなしだったから、久しぶりに笑った気がした。

「あーおかしい~・・・みんな、バラバラになっちゃうね。」

沙羅と空也は進学校、幸恵と智一はそれぞれ専門職を重視してくれる高校へと進んだ。幸恵は看護、智一は教師だ。玲と星也と咲枝、それに私は学力平均ぐらいの普通校へと進んだ。
皆バラバラか。。
笑ったあとだからかまた寂しさが込み上げて来て、上を向いた。
春の匂いが混じってそうな暖かな風が吹いた。




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