極悪兎甘い牙を向く


学校の帰り道にあるお里ちゃんの
駄菓子屋さんにはいつも
笑ってるラビが居た。

お里ちゃんラビの間には入れなくて
私はいつも走って通りすぎてた。

ラビの笑う顔が大好きなのに
すごく見たくなかったから。

それから何ヵ月かの間
私はなんとなくラビを避けて過ごした。
まだ名前も分からないこの気持ちを
抱えきれずに投げ出そうとしてた。


「あーおい!
明日俺たちの卒業式だけど、やっぱ来ないのか?」


にぃたちのチームは
卒業式の明日解散することになった。
何ヵ月もチームのみんなに会ってない私を気遣ってにぃが聞きに来てくれた。


「にぃ、みんなバラバラになっちゃうの??」


「まぁ、元々みんな頭もいいやつらばっかだし、ほとんどのやつらが進学するからな!会えなくなるだろうなぁ~。」

私が座っていたソファーの隣にどかっと座って呟く。

「なんか、寂しくなるね。」

「でも、地元はずっと変わんないから二度と会えない訳じゃないだろ?
まぁ、一人逃げ出そうとしてる奴は居るけどな…」

思い詰めたように最後の言葉を呟いたにぃ。

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