あのコのひみつ^_^

#4

「さ~晩ご飯出来たわよ~!!」


あらら…もうそんな時間かよ。なんか寝てたわ。追い詰められて考えると眠るタイプ。


「ねーねーすごいのよ!!これぜーんぶ邦良クンが作ったのよ!!!」

「お前は作ってないんかい。」


興奮する姉貴だが、確かに食卓は

洋食から和食までいろとりどりの輝きを見せている。

へーぇ、男なのによくこんなに作れんねぇ。

俺だってサボる姉貴のおかげで料理するけど、チャーハンとかラーメンとか・・・

こんな色鮮やかな食事はしねーよ。


「うっわぁい!なにこれ美味しそう!!なにこの料理!!」


「あれ、裕太。帰ってたんだ。」

「うん。さっきねっ」

弟の裕太。血は繋がってないけどな。

姉貴が付き合ってた男と浮気女の間に出来た子どもを押し付けられたとかなんとか。

「裕太くん、初めまして」

エプロンをたたみながらニコニコする邦良。

「初めまして~お母さんの愛人~?」


そんな苦労を乗り越えているせいか、

なんなくとこう言うことを普通に言う。


「あ、愛人っていうかさ」

「年下だからペットみたいな?まぁ、いいや、いただきまーす!!」


裕太・・・

血の繋がってない母さんの新しい恋人をすんなり認めるのは有り難いけど

下品な子になりすぎだ・・・


「さっさぁ、私たちも食べましょ!!」

「お、おう。」



「ん~!ぉいし~!!!!!」

姉貴の嬉しそうな声が上がる。


うん、めちゃくちゃ上手い!!

なんかくやしいけど素直にウマっ!

これなら箸も進む!


「光くんって本当に料理上手いのね~!いっつも自分で作ったりしてるの?」

いっつも作らない姉貴は食べながら身を乗り出す。

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