カプチーノ·カシス


以前の俺は、女というものに大した興味は持っていなかった。

だがそんな俺の意志に反して、女たちは蜜の香りに誘われる蝶のごとく、次々群がってきた。

ほとんどが俺の実家の財産目当てか、あるいは姿の良い男を連れて歩きたいという、自分のステータスを高めるためだけに俺に言い寄ってくるつまらない女たち。


俺の人間性とか、そんなの奴らにはどうだっていいんだ。

女たちが欲しいのは柏木晴斗、という入れ物……

そんな経験があまりに続いて、俺はどんどん女という生き物に失望していった。


< 118 / 349 >

この作品をシェア

pagetop