カプチーノ·カシス
以前の俺は、女というものに大した興味は持っていなかった。
だがそんな俺の意志に反して、女たちは蜜の香りに誘われる蝶のごとく、次々群がってきた。
ほとんどが俺の実家の財産目当てか、あるいは姿の良い男を連れて歩きたいという、自分のステータスを高めるためだけに俺に言い寄ってくるつまらない女たち。
俺の人間性とか、そんなの奴らにはどうだっていいんだ。
女たちが欲しいのは柏木晴斗、という入れ物……
そんな経験があまりに続いて、俺はどんどん女という生き物に失望していった。