カプチーノ·カシス
それでも俺が出会い系サイトに登録したのは、いくら女が嫌いでもなくならない性欲の処理をするため。
周りにまとわりついてくる女どもよりは、先入観なしで俺と寝てくれる、新しい女が良かった。
そうして出逢ったのが……武内愛海だった。
『あたし、好きな人がいて……でも上手く行きそうにないから、寂しいの』
初めてのメールでナミにそう言われた。
元々俺を見ていないなら、後で失望することもないからちょうどいい。
そんな理由ですぐに会う約束を取り付けた。
もし、どう頑張っても勃ちそうにない外見ならば約束をすっぽかして帰る気だったが……
待ち合わせ場所に選んだいつものバーで、気だるげに酒を飲んで俺を待っていたのは、予想以上にいい女だった。