カプチーノ·カシス
「えぇ、是非」
そう言って武内さんを見る。
不服そうな顔をされるかと思ったが、そこは仕事とちゃんと区別しているらしい。
「もちろんお供させて下さい、ただあたしお酒に弱いのでそんなには飲めないんですけど……」
武内さんは、笑顔でそう答えた。
「気にしなくて大丈夫、いい店知ってるんだ。昼はカフェ、夜はバーになるを小さな店でね。コーヒーを使ったカクテルも出してくれるんだ」
「それは楽しみだ」
仕事を片づけた俺たちは尾崎さんに連れられて、その小ぢんまりとしたバーに来た。
ちょうど空いていたカウンター席に、武内さんを男二人で挟むような並びで腰掛ける。