カプチーノ·カシス
ウインナ·コーヒー
月曜日の朝は、コーヒーの味当ての前に朝礼がある。
と、言っても三人しかいないので、他課がやっている挨拶の練習や企業理念の唱和などは行わず、課長の口から連絡事項が伝えられるだけの朝礼だ。
「来月は例年より気温が下がるという予報が出て、コーヒーの消費量は高まるとみている。工場ではコーヒーの生産量を増やす方針だから、俺たちも忙しくなるぞ」
課長の言葉にあたしと石原は顔を見合わせる。
正直、今でもいっぱいいっぱいなのにこれ以上増えるのか……という思いで。
「二人ともそんな顔するな。ちゃんと応援をもらったから」
にこやかに言った課長は、あたしと石原の前に一枚の履歴書を差し出してきた。
もしかして里沙が言ってたイケメンの……?
どれほど格好いいのか見てやろうと、張り付けてある証明写真をみたあたしは固まった。
これ……ハル――!?