カプチーノ·カシス
最後の言葉が引き金となり、あたしたちは吸い寄せられるようにキスをした。
唇を堪能しながらお互いに服を脱がせ合った後、ハルはあたしの首筋に舌を滑らせる。
その間、悪戯好きの彼の指たちは、片手で胸を弄び、もう一方は太股の間を行ったり来たりと忙しい。
「ん……ねぇ、あっちでいれよ」
「…あっち?」
「窓の方」
セフレと過ごすクリスマスイブなんて、ロマンチックとはほど遠い。
それでも、あたしは“独りじゃない”と街中に誇示したくて、窓から美しい夜景を望みながら貫かれたいと思ったのだ。
カーテンを開け放ち、窓に手を突いたあたしは言う。
「…外から見えちゃうかな」
「この高さだから見えねえよ、周りに同じ高さの建物もないし……それとも見られたいのか?」
「まさか…聞いてみただけ」
「……俺が見てる、それで充分だろ」
ハルはそう言って、あたしの中に入ってきた。