カプチーノ·カシス

あたしにハルというセフレが居て、そして応援に来るイケメンがそのハルだと言うことは里沙には言ってない。

だから彼女はこんな呑気なことを言う。


「もしアンタにその気がなくても向こうが愛海に惚れちゃったらどうする!? 超ドロドロじゃない? アンタの周り」


ケラケラと笑う里沙に対してあたしは少しも笑えなかった。

同僚である石原があたしを好きで、あたしは上司である課長を好きで、明日からセフレまで同じ職場にいるのだ。

里沙が言ったのより、もっとずっとタチの悪いドロドロかもしれない。

一体あたしはどうなっちゃうんだろうか……


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