カプチーノ·カシス


こんなに申し訳なさそうに謝るってことは、もう課長の中でこの恋は死んでいるということ。

それを理解したあたしは、“いい加減諦めろ”と最後にとどめを刺して欲しくて、課長にこう尋ねた。


「もう……何をどう頑張っても、課長があたしのことを見てくれることは二度とない…そういうこと、ですよね?」


課長はゆっくり顔を上げて、しばらく苦しげに眉根を寄せた後……見たことのない厳しい表情になって、あたしを睨んだ。



「……そうだ」



自分でけしかけた台詞。

覚悟はできていた。

それでもあたしの心臓は、張り裂けてしまいそうなほど痛んだ。


「きみの気持ちは、俺にとって迷惑でしかない……」


さらに課長はそう言って、ただ彼を想う気持ちすらも、認めてはくれなかった。



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