カプチーノ·カシス
スペシャルブレンド
「とりあえず、武内さんが指導員ということでいいかな、隣の席だしね」
「―――え」
さぁっと青ざめるあたしに対し、ハルは下を向いて肩を小刻みに揺らしていた。
……もしかして笑ってる!?
「あ、あの、あたしより石原の方がいいんじゃないかと……」
あたしが控えめにそう言うと、課長はどうして?と首を傾げる。
どうして……あたしはその答えを必死で探すけど、なかなか正当な理由が思いつかない。
「―――俺は武内サンがいいなぁ。教えて欲しいこと色々あるし?」
口を開いたのはハルだ。その瞳は挑戦的にあたしを見据えている。
「――――ッ!」
どうしてそんな意味深な言い方をわざわざするのよ!
これ以上食い下がったらそれこそ不自然に思われちゃうじゃない……